遺品整理する目的とは…デジタル遺品は業者に依頼する方が良い?

遺品整理する目的とは…デジタル遺品は業者に依頼する方が良い?


厚生労働省の「令和元年年簡易生命表」によると日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳でした。平均寿命が延び続けていると言われていますが、自分の親が平均寿命近い年齢になるとそろそろ考えておきたいのが遺品整理…。遺品整理する目的とはどんなものか明確な詳細を知らない人も多いのではないでしょうか。

遺品整理とは各項目に分かれてやらなければいけないことが山ほどありますが、今回はデジタル遺品について詳しく解説していきます。今はまだ元気で過ごしていますが、明日はどうなるかわかりません…。いざというとき慌てないように事前にしっかり確認しておきませんか?

【出典:厚生労働省 令和元年簡易生命表の概況】

遺品整理する目的とは…知っておきたいデジタル遺品の種類やトラブル

今はまだ親も健在で、遺品整理する目的とはどんなものか明確な詳細はわかりませんよね…。ましてやデジタル遺品についてわからない人もいるでしょう。そこで、遺品整理をする目的やデジタル遺品についてまとめました。

遺品整理をする目的とは…

遺品は故人が身に付けていた物で時計や書類、スマホやパソコンなどのデジタル機器など目に見える形の物質を言い、整理は不用品を捨て関連する物をまとめることを言います。遺品整理する目的とは簡単に言うと「部屋をキレイにする」「遺族の心を整理する」ことなのです。

遺品整理とは故人の物を”処分””するので少し冷たい感じに捉えてしまいますが、ある程度覚悟を持って臨まなければ片付けが進まないので途方に暮れてしまいます。昔の思い出や感情にしっかり向き合って片付けていくと次第に心の整理もできるようになるでしょう。

デジタル遺品の種類って?

【デジタル機器】
・パソコン
・スマートホン
・USBなど外付けハードディスク
・カメラ【ネット上の情報】
・ブログやホームページ
・SNSデータ
・クラウドストレージ【ネット口座情報】
・インターネット銀行
・証券口座・FX口座・仮想通貨口座

デジタル機器は保管可能ですが捨てる際は情報を消去しておく必要があり、ネット上の情報は悪用される危険性もあるのでなるべく処分しておいたほうが良いですね。ネット口座情報は、大金が入っている場合もあるのでしっかり確認しましょう!

デジタル遺品でのトラブル

①個人情報流出で悪用される
…デジタル機器のデータを消去しないで捨てると悪意を持った人に解析され、個人情報を抜き出される恐れがあります。ネットショッピングの際のクレジットカード情報が抜かれて悪用されたり、ネット口座からお金を抜かれたりする危険が…。SNSの場合はアカウントが乗っ取られネットで炎上、家族の情報が広がるケースも…。あらゆる危険性が想定されるので消しておくにこしたことはありませんよ!

➁月額費用が支払われ続ける
…月額制サービスを利用していた場合、契約解除をしなければお金がかかります。iCloudやevernoteなどのストレージサービスは容量拡大すると月額費用がかかることもあり、電子新聞や電子雑誌などは月額制になっています。知らないうちにお金が減っていく恐れもあるので、口座引き落としは要注意してくださいね。

➂相続漏れで遺産が出る
…ネット口座を利用していた際、家族が気付かないと相続できなくてうやむやになってしまいます。相続漏れの預貯金口座は10年で請求できなくなるので、10年過ぎに口座の存在が明らかになってももう遅いです…。FXや株取引などは、いつの間にか莫大な損失になっていることも想定されるのでチェックしておく必要がありますよ。

デジタル遺品は業者依頼可能!業者に遺品整理依頼するメリットとは


遺品整理をしなければいけない項目はさまざまで、時間や手間もかかると共にリスクが生じることも…。デジタル遺品を整理するなら業者依頼がオススメです。業者に遺品整理依頼するメリットとはどんなことがあるのでしょうか。

重い物の運び出し不要&短時間で済む

遺品には大型のタンスや冷蔵庫などの重い物があります。高齢の方や女性だけだと運び出すには困難で、男性でも無理すると腰を痛めてしまう恐れも…。また、ゴミの分別や大型ゴミの回収、遺品の仕分けまでしなければならないので、自分たちだけで片付けようとすれば、相当な時間がかかります。

遺品整理業者に依頼すると、重たい物を運ぶ必要はありませんし、最短なら1日で作業が完了するので、断然業者依頼のほうが良いと言えるでしょう。

相続や空き家などの相談ができる

遺品整理専門業者の中には、整理後のトラブルに対応してくれることもあります。残された遺品に高価な品物や現金などが残されていた場合、相続のトラブルが起こるでしょう…。また、住んでいた家が持ち家のだったら対応も考えなければなりません。弁護士と提携している遺品整理業者であれば、相続や空き家の相談にものってくれますよ。

遺品供養や遺品の買い取りが可能

遺品整理専門業者によっては、仏壇や神棚などの供養が必要な際に神社でお祓いやお焚き上げの代行をしてくれます。また、多くの家財を処分するには処分手数料やリサイクル費用の支払いも必要になりますが、まだ使える物や価値のある物が残されている場合は買い取りしてもらえます。

買い取りしてもらえれば遺品整理にかかる費用の節約にもできますし、資源の有効活用にもなるので業者に遺品整理依頼することは一石二鳥と言えますね。

故人の家が遠くても整理できる

故人の家が遠方にある場合は片付けに行くだけでも一苦労ですし、遺品整理のために何日も休みを取らなくてはなりませんが、立ち合い不要の遺品整理業者に依頼すれば、実際に家に行くことなく遺品を整理することができます。遺品整理のための移動時間や交通費を考えると業者に委託するメリットは大きいでしょう。

遺品整理とは自分で処理できるもの?デジタル遺品を整理する方法って?

遺品整理業者に依頼しなくても、遺品整理とは自分で処理できるものなのです。しかし、デジタル遺品は適切な処理をしなくていけないので注意が必要です!

デジタル遺品の中身のチェックと消去

パソコンやスマホ、USBなどのデジタル機器を集めて中身をチェックします。電池が無くなるといけないので充電器も一緒に集めておくと良いですね。パソコンやスマホのブラウザやメモ帳などに残っている情報をチェックし、どこにネット情報が残っているかを調べ、リストアップしていきます。

ログイン認証を求められてアクセスできないときは、残っているノートや手帳などにメモなど残っていないか念入りに探すか、あるいはセーフモードで立ち上げて入る必要があります。パソコンに詳しいなら自分で挑戦してもいいですが、詳しくないならプロにお任せしましょう!

リストアップした情報が確認できたらデータの消去をしていきます。消去するのが不安ならデータをダウンロードしておくと良いですよ!FacebookやInstagramなどは、利用者が亡くなったことを伝えると「追悼アカウント」となって誰もアクセスできなくなります。ネットデータを見つけた際に消去の仕方がわからないときは直接SNS会社に問い合わせれば消去方法を教えてくれますよ!

【出典:Facebook 追悼アカウントのリクエスト】
【出典:Twitter 亡くなられた人について】
【出典:Instagram 亡くなった方のアカウントを報告】
【出典:LINE 利用規約】
【出典:Google アカウントヘルプ】

ネット口座があるなら口座の手続きを…

ネットに口座があって預金が残っている場合、所有者の死亡が伝わると口座は凍結されて所定の手続きが必要に…。手続き完了までに時間がかかり、必要なお金を自由に引き出せなくて不便な事態に陥ってしまいます。引き出しておきたいお金があるなら、連絡する前に対応しておくのがベストです。

お金が引き出せたら次は相続の手続きをします。各銀行へ連絡し、口座の解約・口座の引継ぎのいずれかを選んで、銀行へ必要書類を提出します。

【相続の手続きにおける必要書類】
・相続人全員分の身分証明書
・戸籍謄本(故人のもの)
・故人のキャッシュカードや通帳
・銀行所定の書類

上記の他にマイナンバーカードの写しを求められたり、遺産分割協議書などが求められたりすることも…。銀行から必要書類の説明があるときはしっかりメモしておきましょうね!必要な手続きが済むと銀行から預金計算書や通帳が返却され、気になる点がなければ手続きは完了です

【出典:PayPay銀行 相続】
【出典:楽天銀行 相続】
【出典:イオン銀行 相続】

まとめ

遺品整理する目的とは「部屋をキレイにする」「遺族の心を整理する」ことを言い、故人が身に付けていたものを”いるもの”と”いらないもの”で分けていく必要があります。パソコンやスマホなどのデジタル機器やSNSのデータ、ネット口座情報のデジタル遺品は、悪用されないように消去するなどの対応をしていかなければなりません。

遺品整理とは自分でできるものですが、各項目でやらなくてはいけないことがたくさんあります。自分で対処するのが難しいと感じたなら、遺品整理をプロとしている業者に相談するのもひとつの手ですよ!