
食器棚の収納、どうしてますか?
「埃をかぶった食器があるけど、洗えば使えるし…」
「どこに何があるのかわからなくて、いつも同じ食器ばかり使ってしまう…」
そんなお悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。
今回はお片付けのプロ「イーブイ代表 二見文直」が教える、
- 食器棚収納の3つのポイント
- すぐに実践できる捨てるコツ
- 素材別の捨て方
- 使用頻度の低い食器の例
などをご紹介していきます。
さらに、食器棚のタイプ別の収納アイデアや食器棚以外のキッチン収納についても触れていきます。
普段使い以外の食器、本当に必要?
食器棚にぎっしり詰まった食器。でも、よく見てみると、普段使いの食器は全体のほんの一部で、残りはほとんど使っていない…なんてことはありませんか?
例えば、来客用や頂き物の食器。年に数回しか使わないのに、場所だけを取ってしまっていませんか?
まずは、本当に必要な食器だけを残すことから始めましょう。
捨てるコツ①:棚の中段から作業する
食器棚の整理を始める際、多くの方が上からや下から手を付けてしまいがちです。
しかし、実は一番効率的なのは、中段から始めること。
- 普段使いの食器が多い:中段は一番使いやすい高さにあるため、普段使いの食器が収納されていることが多い場所です。ここを整理することで、本当に必要な食器が何かを把握しやすくなります。「毎日使う食器はこれとこれだけなんだ」と認識できれば、自然と他の食器を処分しやすくなるでしょう。
- 作業スペースの確保:中段を空にすることで、一時的な作業スペースを確保できるというメリットもあります。他の段の食器を整理する際に、一時的に移動させる場所として活用できます。
- 身体的負担の軽減:高いところだと背伸びが必要ですし、低いところだとかがんだりしゃがんだりと、体の負担が大きくなってしまいます。中段から始めることで、無理な姿勢を長時間続ける必要がなくなり、作業が楽になります。結果的に、片付けを継続できることにつながります。
捨てるコツ②:全部出さない!「見る」だけでOK。「意識する」ことが大事
整理収納の本などでは、「食器を全部出してから…」というアドバイスをよく見かけます。
しかし、これは非常に手間と時間がかかる作業。
せっかくやる気になっても、途中で疲れて挫折してしまう可能性も…。
全部出しのデメリットは
- 全部出したものを見ただけでやる気を失う
- 作業中断が出来ない
- 広めの場所を確保する必要がある
- 結局使うものも、出す→入れる、の二度手間が発生する
実は、全部出す必要はありません。食器棚の中身は、1つ1つ「見る」だけでOKです。
「見る」といっても、ただ漠然と眺めるのではなく、1つ1つの食器を手に取り、じっくりと観察することが重要です。
- いつ買った食器なのか?
- 最後に使ったのがいつか覚えていない
- 買ったはいいものの、使わずにしまい込んでいる
- 欠けたり、ヒビが入っている
- デザインが好みではなくなった
このような食器は、思い切って処分候補に入れてみましょう。
「もったいない」という気持ちもわかりますが、使わない食器をいつまでも保管しておくのは、スペースの無駄遣いです。
本当に必要な食器だけを残し、快適なキッチンを実現しましょう。
捨てるコツ③:紙袋・ダンボールをフル活用!素材別 処分方法
食器を処分する際、素材によって適切な処分方法が異なります。
事前に自治体のルールを確認し、正しく分別・処分しましょう。
- 陶磁器・ガラス:多くの自治体では「燃えないゴミ」として処分することになります。「粗大ゴミ」に分類される場合もあるので、注意が必要です。割れた食器は、新聞紙や紙袋で包み、「キケン」「ワレモノ」と表示して処分しましょう。
- 陶磁器は、リサイクルできない素材です。どうしても捨てられない場合は、陶磁器を専門に買い取ってくれる業者に依頼する方法もあります。
- ガラス食器は、自治体によってはリサイクルできる場合があります。
- 透明なガラス瓶などは、スーパーマーケットの回収ボックスに持っていくことも可能です。
- 色付きのガラスや強化ガラスなどは、リサイクルできない場合が多いので注意が必要です。
- プラスチック:プラスチック製の食器は、「燃えるゴミ」として処分できる場合が多いですが、自治体によって異なるため、必ず確認しましょう。
- 金属:金属製の食器は、「資源ゴミ」としてリサイクルできる場合があります。自治体のルールに従って処分しましょう。
- 金属は貴重な資源です。リサイクルできるものは積極的にリサイクルに出しましょう。
処分する食器は、安全のためにも、新聞紙や紙袋、ダンボールなどで包んでからゴミ袋に入れましょう。
棚の中身を「可視化」する収納のコツ
食器棚の中身を整理したら、次は収納です。
収納の基本は、どこに何があるかを一目でわかるようにすること。
つまり、「可視化」です。
食器棚に収納するもの・しないもの:食器棚は食器とカトラリーだけ!
食器棚には、基本的に食器とカトラリーのみを収納しましょう。
それ以外のものは、収納場所のカテゴリーが異なるため、適所に移動させましょう。
例えば、食品や調味料はパントリーや冷蔵庫へ、調理器具はコンロ下収納などへ移動させることで、食器棚の中身がすっきりし、使いやすくなります。
また、食品やお菓子、調味料は一つ一つ賞味期限を確認し、切れている物は迷わず捨てましょう。賞味期限が切れるまで放置している食品は、今後そのまま置いていても食べないからです。
使用頻度で収納場所を分ける:ゴールデンゾーンを意識!
食器棚の中でも、使用頻度の高い食器は取り出しやすい場所に収納しましょう。
反対に、使用頻度の低い食器は、奥まった場所や高い場所に収納しても問題ありません。
この考え方を「ゴールデンゾーン」といいます。
ゴールデンゾーンとは、腰から肩の高さまでの範囲のこと。
この範囲に、使用頻度の高い食器を収納することで、スムーズな出し入れが可能になります。
使用頻度が少ない食器の例としては、以下のようなものがあります。
- 大皿:大人数で食事をする機会が少ない場合は、使用頻度が低くなる傾向があります。
- 客用食器:来客の頻度が少ない場合は、使用頻度が低くなります。
- 特殊な形の食器:特定の料理にしか使わないような食器は、使用頻度が低くなる傾向があります。
- 思い出の食器:いただきもので捨てるのは気が引けるけれど、実際には使っていない食器も意外と多いものです。
これらの食器は、使用頻度が低くても、すぐに処分できない場合もあるでしょう。
そんな時は、無理に捨てる必要はありません。
使用頻度の低い食器はまとめて別の場所に保管しておき、本当に必要な時に取り出すようにすれば、食器棚のスペースを有効活用できます。
食器棚のタイプ別 収納アイデア
食器棚には、様々なタイプがあります。
それぞれのタイプに合った収納方法を取り入れることで、より使いやすくなります。
- 引き出しタイプ:引き出しタイプは、奥行きが深いので、収納ケースをうまく活用しましょう。立てる収納を取り入れることで、何が入っているか一目でわかるようになります。カトラリーは、専用の仕切りケースを使うことで、きれいに整理できます。
- 開き戸タイプ:開き戸タイプは、奥のものが取り出しにくいというデメリットがあります。そのため、使用頻度の高い食器は手前に、低い食器は上に、というように配置を工夫しましょう。可動式の棚板があれば、食器の高さに合わせて調整できます。
- スライド式タイプ:スライド式タイプは、奥の食器も簡単に取り出せるので、収納力が抜群です。ただし、食器が重なっていると、下の食器が取り出しにくい場合があるので、収納ケースを活用したり、食器を重ねすぎないように注意しましょう。
収納ケースを活用:食器棚の見た目を美しく!
収納ケースを活用するのもおすすめです。
食器棚の棚板に直接食器を置くよりも、収納ケースを使った方が、見た目もすっきりし、取り出しやすくなります。
特に、細かい食器やカトラリーを収納する際に便利です。
収納ケースを選ぶ際は、食器棚のサイズに合ったものを選びましょう。
また、素材やデザインにもこだわって、食器棚の見た目にも統一感を持たせると、より美しくなります。
食器棚以外のキッチン収納:パントリーやシンク下収納
食器棚以外にも、キッチンには様々な収納スペースがあります。
これらのスペースも有効活用することで、キッチン全体をすっきりさせることができます。
- パントリー:パントリーは、食品や調味料のストックを収納するのに最適な場所です。
- 使用頻度の高いものは手前に、低いものは上に収納しましょう。
- 収納ケースを活用して、中身を見やすく整理しましょう。
- シンク下収納:シンク下収納は、湿気がこもりやすい場所なので、水回りで使うものを収納するのがおすすめです。
- 洗剤やスポンジ、ゴミ袋などを収納しましょう。
- 湿気に強い素材の収納ケースを使うと良いでしょう。
- コンロ下収納:コンロ下収納は、鍋やフライパンなどの調理器具を収納するのに最適な場所です。
- サイズの大きなものは下に、使用頻度の高いものは手前に収納しましょう。
- フライパンは、専用のスタンドを使って立てて収納すると、省スペースで収納できます。
食器棚を見直して、快適なキッチンを実現!
食器棚は、キッチンの使いやすさを大きく左右する重要な収納スペース。
今回ご紹介した3つのポイントと捨てるコツ、その他食器棚収納のコツを参考に、食器棚を整理整頓し、快適で使いやすいキッチンを実現しましょう!
食器棚収納は、一度整理すれば終わりではありません。
定期的に見直し、不要な食器を処分したり、収納方法を改善することで、常に使いやすく、美しい食器棚を保つことができます。
いかがでしたでしょうか?この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
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投稿者プロフィール

- 株式会社ウインドクリエイティブ 代表取締役
-
YouTubeチャンネル「イーブイ片付けチャンネル」運営者。
1984年大阪府生まれ。一般社団法人遺品整理士認定協会認定遺品整理士。生前整理技能Pro1級。
2010年よりリサイクル販売業界に携わり、2014年に独立。単なる不用品回収ではなく、お客様が笑顔で穏やかな生活に戻れるよう、丁寧で気持ちの良いサービスを目指し、2015年に「イーブイ(屋号)」を立ち上げ、関西を中心に不用品回収、ゴミ屋敷の片づけ、遺品整理などのサービスを提供している。
メディア情報
ダイヤモンドオンラインにて捨てるコツを連載中