孤独死の部屋の特徴

孤独死の部屋の特徴

孤独死には共通点がある?孤独死する人の部屋の特徴をご紹介

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孤独死者は年々増加しています。
孤独死が起きる原因として、単独世帯の増加や地域を含め人同士のつながりの希薄さが挙げられています。
遺体の発見は、遅れれば遅れるほど遺体や室内の腐敗が進行します。
そして、異臭や害虫の発生など二次的な被害をもたらします。
孤独死は早期発見が第一です。

そんな孤独死にはある共通点があることをご存知でしょうか?
今回は孤独死をする人の部屋の特徴を解説します。
孤独死には少なからず環境的な要因も影響しています。
部屋の特徴とともに孤独死に陥りやすい人と併せて確認することで家族や友人が当てはまる人はいないか確認し、身近なところから孤独死を未然に防ぎましょう。

孤独死とは

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孤独死には明確な定義がありません。
しかし、一般的には「誰にも看取られずに死亡し、死後しばらくしてから遺体発見されること」を指しています。

単独世帯の増加とともに孤独死の件数も増加の一途を辿っています。
孤立死者の平均年齢は61歳といわれています。
特に男性の場合は長い年月を連れ添った配偶者が亡くなった場合の立ち直りが弱い傾向にあります。
男性の多くは料理や洗濯といった家事を苦手としています。
そのため、一人になった後の生活が維持できずに生活意欲を無くし「孤立」しやすくなります。

年月が経てば人を取り巻く環境は変化します。
離婚や死別などがきっかけとなり家族や友人など自分の身近な人が孤独死という最期を迎えてしまう可能性もあります。
自分には関係がない話と思うのではなく、誰にでも起こりうることであるという意識を持ちましょう。

環境が心理的にもたらす影響とは


部屋は心の状態を表しているといわれるように、住環境は私たちの心に深く関係しています。
近年では、住環境から人の心理状態を読み解き、カウンセリングする空間心理カウンセラーといった人たちも存在しています。
それほどに部屋の状態は、私たちの心理状態に良い影響も悪い影響も与えることができます。

一般的に部屋が物が散乱しており汚れている状況であるほど、生活や仕事の不満やストレスを感じている、もしくは損をしたくなくて物を捨てられないといった心理状態が現れています。
心に空いた寂しさや不満を物を増やすことで埋めて、収まったころにまた物を増やしては埋め、と同じことを繰り返す中で物が増えて生活スペースも徐々に失われ、閉鎖的な空間を作り出します。
自分自身で閉鎖的な空間を作り出してしまうことも孤独死の要因として考えられるのではないでしょうか。

孤独死する人に共通する部屋の3つの特徴


孤独死する人の部屋には共通点があります。
3つの特徴をご紹介することであなたが家族や友人の家に訪問した時に、同じ特徴をもっていないか確認してみても良いでしょう。

部屋に物やゴミが散乱している

孤独死の原因は疾病などによる発作が最も多いとされています。
健康状態の悪い部屋は物が多くなりやすい傾向があります。
物に限らず、空いたペットボトルや缶、弁当の食べた後の容器などゴミも溜まりやすいです。
物やゴミが散乱すれば部屋全体の空気も悪くなり、それが健康状態を乱してしまい悪循環が生じます。

外出しづらい部屋である

孤独死の現場は一戸建てより賃貸物件に多くみられます。
中でも一階より最上階に近い部屋に住んでいる人ほど孤立しやすい環境にあります。
エレベーターがない物件の場合、ゴミ捨てなどのちょっとしたことでも外に出るのが億劫になります。
そして次第に家を出ること機会がなくなり、セルフネグレクトに陥りやすくなります。

日の光が入りにくい

人は古来から、日の光を浴びて生活しています。
日の光は体と生活リズムの間にある歪みを整え、体内時計をリセットする役割があります。
部屋の日当たりが悪いと、日の光を浴びることはありません。
それによって体内時計が狂ってしまい、体に変調をきたすことになります。

孤独死する人の特徴

・人付き合いが苦手
定年退職、早期退職や失業などで仕事をしない状況になると、社会と関わる機会が失われやすくなります。仕事に没頭したあまり、プライベートで友人といえる人とは疎遠になっているパターンも多くみられ、今更友人付き合いをするもの新しく友人関係を構築するにはどうしたら良いかわからない、という人が孤立やすくなっています。

また、一人で過ごすことが好き。という人も注意が必要です。
若いときは自分でなんでもできますが、年を経ると一人でできないことの方が増えてきます。
しかし、それに気付いた時には誰にも頼ることができなくなり、孤立化し、孤独死を迎えてしまうことになります。

・経済的な余裕がない
貧困とは年収300万以下を指しています。貧困の背景には会社の倒産やリストラ、定年後の熟年離婚で金銭面だけでなく、配偶者の喪失が挙げられます。
経済的な余裕がないため、日常生活に楽しみが得られず、淡々と過ごす日々にストレスも溜まります。
次第に生活意欲が失われ、孤独死につながります。

・持病がある
男性の場合は、リストラや退職によって社会との関わりが希薄になり孤立化しやすくなります。
いっぽう、女性の場合は病気や失恋などプライベートでの出来事が原因で孤立化しやすい傾向があります。

一度、病気になってしまうと外出するのも億劫になり部屋にこもりがちになります。
体の状態が徐々に悪化するとメンタル的にも弱くなってしまいセルフネグレクトになりやすい状況をつくってしまいます。
加えて金銭面にも余裕がないと、薬が買えずどんどん症状が悪化し気が付いたら誰にも助けを求められずひっそりと孤独死を迎えることになります。

孤独死を予防する方法はあるのか

孤独死を予防する方法は「孤立化しやすい環境を作らない」ことです。
各自治体でも孤独死対策は行われていますが、充分ではありません。
そのため、孤独死を予防する策として地域での見守り強化など地域のコミュニティづくりが推進されています。
これには近隣住民だけでなく、地域全体の協力が不可欠になります。

地域で、見知らぬ人同士でもあいさつができる環境づくりができれば孤立解消だけでなく、地域の子どもを守る防犯の効果ももたらします。
また、高齢者が集う拠点の設置は、地域住民が気兼ねなく話せ、顔見知り関係の構築につながります。
単身高齢者が安心してくらせるコミュニティづくりは地域活性化に大きな効果があります。
安全性が優れた地域は、それが評判を呼び居住者の定着や増加の要因となります。

こういった地域活動を行っていくためには、私たちや高齢者自身も含め、どんな高齢者でも社会の一員であり地域社会に役立つことを再認識する必要があります。
地域社会での自分の役割や生きる価値を見出すことで孤立とは無縁の生活を築くことができます。

まとめ

孤独死は、高齢者に限らず若年層にも身近に潜む問題です。
孤独死にはさまざまな要因がありますがその中のひとつに環境的な要因も含まれています。
私たちが普段生活する部屋の環境は、心理状態をそのまま表しています。
特に孤独死においては孤独死者の部屋に共通する3つの特徴があります。
①部屋に物やゴミが散乱している
②外出しづらい部屋である
③日の光が入りづらい

こういった部屋の環境では体内時計が狂い、生活リズムが乱れやすくなります。
加えて、物やごみが散乱している室内では生活スペースが狭まりストレスも溜まりやすく、衛生的にも良くないため、健康状態にも悪影響を与えます。
孤独死を予防するためには、地域での助け合いが第一です。
高齢者自身が積極的に地域活動していくことも大切ですが、私たち自身も活動に参加しやすい空間や気楽に触れ合える関係を構築することも重要です。