
「遺品整理を頼みたいけど、どの業者がいいのか分からない」
「料金も対応もバラバラで、何を基準に選べばいいの…?」
そんな不安を抱えている方に向けて、今回は遺品整理の現場で数多くのお客様と向き合ってきた私たちが、「後悔しない業者選び」のポイントを、実体験を交えてお話しします。
なぜ、遺品整理業者選びがそんなに重要なのか?
遺品整理は、ただの「モノの片付け」ではありません。
そこには、故人との思い出が詰まっていて、ご家族にとっても人生の節目となる大切な時間です。
しかし業者によっては、遺品をただの不用品として雑に扱ったり、対応や金額面で不信感を抱かせてしまうケースもあります。
特にこの業界は、「人生で1~2回しか使わない」サービスだからこそ、その1回が嫌な思い出になってしまうと、ご家族にとって非常につらいものになります。
信頼できる業者に出会えるかどうかが、心の整理においても大きな鍵になるのです。
業者を選ぶときに重視すべきポイントとは?
もちろん、費用は大切な判断基準のひとつです。
ですが、それと同じくらい大切なのが「どういう作業をしてもらいたいか」「どう扱ってほしいか」というご自身の希望を、しっかり伝えた上で、その内容に見合った業者を選ぶこと。
たとえば──
- 思い出の品を大切に扱ってほしい
- 探してほしい通帳や印鑑がある
- 家具はできれば一部残してほしい
こういった「気持ち」や「要望」をきちんと聞き取ってくれるかどうかが、大きな分かれ目です。
現地見積もりで確認すべき大切なこと
見積書の内容が明確かどうかは、必ずチェックしていただきたいポイントです。
作業内容・荷物の量・料金内訳などがきちんと記載されていれば安心感があります。
また、現場での仕分けにおいても、ただ「使えるもの・使えないもの」で分けるのではなく、
「これは故人が大切にしていたものかもしれない」
「一見ゴミに見えるけど、思い出の手紙だった」
そういった背景を汲み取る視点があるかどうか──
これは依頼者に寄り添う姿勢があるかどうかを見極める、ひとつの大きな判断材料になると思います。
注意すべき業者の特徴とは?
現場でよく耳にするトラブルの多くは、「言った・言わない」のすれ違いによるものです。
「思っていた作業と違った」「急に追加料金がかかった」という声も少なくありません。
だからこそ、事前に提示された見積書と、実際にかかる費用が変わらないかどうか──
「追加費用なし」と明示してくれる業者であることを確認しておくと安心です。
遺品整理のプロである以前に、私たちは“接客業”でもあると考えています。
「この会社に頼んでよかった」と思っていただけることこそが、何より大切です。
供養・貴重品の捜索も、丁寧に対応できるかどうか
仏壇や神棚、人形などの供養について「どうしたらいいか分からない」というご相談は非常に多いです。
また、故人の通帳や印鑑、写真アルバムといった貴重品の捜索を希望される方も増えています。
今の時代、実家に頻繁に戻れないご家族も多く、そういった中で「何を残してほしいか」をすべて把握するのはとても難しいこと。
だからこそ、私たちは「遺品はごみではない」という考えのもと、
国内外でのリユース活用を含め、ひとつひとつ丁寧に仕分けしながら作業を進めています。
「思い出や感謝の気持ちをきちんと持ったまま、お片付けを終えたい」
そんなご家族の想いに寄り添える業者でありたいと考えています。
最後に──これから業者を探す方へ、伝えたいこと
遺品整理をご家族だけでやろうとすると、時間も体力もかかります。
粗大ごみの手配、貴重品の確認、分別のルールなど、本当に多くの工程があります。
実際、遺品整理をしていて「悲しむ時間がなかった」というお声をたくさん聞いてきました。
大切な人を見送るときこそ、ご家族には“向き合う時間”をきちんと持っていただきたい。
だからこそ、プロに任せるという選択は、決して“手抜き”ではなく、“心の余裕を作るための方法”だと思うのです。
私たちが少しでもそのお手伝いができたら嬉しいです。
投稿者プロフィール

- 株式会社ウインドクリエイティブ 代表取締役
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YouTubeチャンネル「イーブイ片付けチャンネル」運営者。
1984年大阪府生まれ。一般社団法人遺品整理士認定協会認定遺品整理士。生前整理技能Pro1級。
2010年よりリサイクル販売業界に携わり、2014年に独立。単なる不用品回収ではなく、お客様が笑顔で穏やかな生活に戻れるよう、丁寧で気持ちの良いサービスを目指し、2015年に「イーブイ(屋号)」を立ち上げ、関西を中心に不用品回収、ゴミ屋敷の片づけ、遺品整理などのサービスを提供している。
メディア情報
ダイヤモンドオンラインにて捨てるコツを連載中