【片付けのプロが解説】収納ケースを買う前に“捨てる”べき理由|イーブイ流片付けの順番

大量の収納ケースの写真

はじめに|「そろそろ片付けよう」と思ったら、ついやりがちなこと

「そろそろ断捨離しようかな」「部屋をスッキリさせたい」──そんな気持ちが芽生えたとき、多くの方が真っ先にやってしまうことがあります。

それが 「収納ケースを先に買う」 という行動です。

100円ショップの小物ケース、便利そうな衣装ケース、カラーボックス、プラスチック製の引き出し収納…。ホームセンターや通販サイトでもさまざまな収納グッズが並んでおり、「これさえあれば片付くはず!」と購入される方がとても多いのが実情です。

しかし、片付けの現場に日々立ち会う私たちイーブイの視点から見ると、収納ケースの購入はむしろ片付けの足かせになっているケースが非常に多いのです。

この記事では、なぜ収納グッズを先に買ってはいけないのか?

その理由と、イーブイが現場で実際に行っている「片付けの正しい順番」について詳しく解説していきます。


片付けが苦手な人ほど、順番を間違えてしまう

イーブイの現場にお伺いすると、多くのお客様が 「整理収納」から始めよう とされます。

本当は、片付けの第一歩は「物を減らす(断捨離)」です。

ところが、片付けが苦手な方ほど「どう収納しようか?」と考えてしまい、先に収納グッズを買い足してしまうのです。

これが順番の大きな間違いです。

片付けとは本来

  1. 認識する(今ある物を把握する)
  2. 手放す(不要な物を捨てる)
  3. 残った物を整理収納する

という流れで進めるものです。

ところが、多くの方は「いま家にどんな物が、どれだけあるのか」を把握する前に収納ケースを購入してしまう。収納グッズが届く頃には、組み立てるスペースすら無い状態になってしまっていることも珍しくありません。


収納ケースを買ってしまうと起こる「片付けが進まない理由」

① 仕分けスペースがないまま収納グッズが届く

物が多すぎる状態では、本来やるべき「仕分け作業」のスペースすら取れません。

そこへ新たに収納ケースやラックなどが届くと、組み立ても難しく、梱包のまま部屋の隅に積み上げられてしまうパターンが多いのです。

② 収納ケースが「入れる口実」になってしまう

人は不思議な心理を持っています。収納ケースという「空きスペース」があると、それを埋めたくなるのです。

「まだ入るから取っておこう」「使うかもしれないから入れておこう」と、本来は捨てられるはずの物まで収納してしまいます。

その結果──

・不要な書類

・使わない文房具

・賞味期限の切れた食品

・何年も使っていない日用品

・「高かったから」という理由だけで残している物

こうした細かい不要品がどんどん蓄積され、見た目は片付いたようで、物の総量は全く減っていない状態になります。

③ 収納ケースそのものがゴミになるリスクも

さらに厄介なのは、収納ケース自体の処分も大変な点です。

例えばプラスチック製の衣装ケース。

深さがあるため中身が把握しづらく、紫外線や経年劣化でヒビが入りやすく、最終的には処分するしかなくなります。自治体によっては 粗大ゴミとして1個あたり400円前後の処分費用 がかかるケースも多いです。

実際、イーブイで対応した一人暮らしの女性のお宅では、衣装ケースが約40個も積み上がっており、処分だけで1万6千円以上の費用と大掛かりな運び出し作業が必要になりました。

収納ケースが増えるほど、片付けのコストも膨らんでいくのです。


イーブイ流|まず“捨てる”を優先するメリット

では、どうすれば片付けが前に進むのか?

答えはシンプルです。まずは「減らす」ことから始める

物を減らせば、仕分けスペースが生まれ、作業効率が格段に上がります。そして本当に必要な物だけが残るので、収納もグッと楽になります。

また、収納ケースが無い(減った)状態では、自然と「これ以上持てないから、持たない」という意識が働きます。

良い意味での「あきらめ」が生まれるのです。

整理収納のゴールは「全ての物に住所がある状態」。

その住所(収納場所)を決めるためには、まず総量を減らしておくことが絶対条件なのです。


「思い出まで捨てるわけじゃない」から手放せる

物を減らす際、多くの方が悩むポイントがあります。

それが 「いつか使うかも」「高かったからもったいない」「思い出があるから」 という感情です。

ここで一つ覚えておいてほしいのは、物を手放しても思い出まで消えるわけではない ということです。

むしろ、物が減ることで残った思い出の品がより大切に感じられるようになります。

「取っておいたけど結局使わなかった物」を溜め込んでしまう方が、思い出そのものの価値を埋もれさせてしまう可能性もあります。


順番さえ間違えなければ、誰でも片付けはできる

イーブイでは日々、多くの「片付けが苦手です…」というお客様からご相談をいただきます。

ですが実は、片付けが苦手なわけではなく、片付けの順番を知らないだけ という方が非常に多いのです。

片付けの正しい順番

  1. 認識する(何がどれだけあるのか、全部出して把握する)
  2. 手放す(要不要を判断して捨てる)
  3. 整理収納する(必要な物だけを収納グッズに収める)

この順番を守るだけで、片付けは一気にスムーズになります。

実際、イーブイでもこの考え方に沿って作業を進めることで、これまで数えきれないお宅の片付けが完了してきました。


まとめ|収納ケースは最後に考えよう

✅ 収納ケースを先に買うと、逆に物が増えてしまう

✅ 片付けの第一歩は「認識すること」と「減らすこと」

✅ 収納ケースは物が減ってから必要な分だけ用意すればOK

✅ 順番さえ整えれば、誰でも片付けは必ず前に進む


イーブイでは「正しい順番」で片付けをサポートします

私たちイーブイは、単なる不用品回収や処分だけではなく、お客様が 「何を残し、何を手放すか」 を一緒に考えながらサポートしています。

収納ケースが積み上がって困っている方

片付けが進まなくて行き詰まっている方

自分ではもう手が付けられないと感じている方

どうぞお気軽にご相談ください。

一緒に「本当に大切な物と向き合う片付け」を始めていきましょう。

 

収納グッズが部屋を散らかす!?断捨離の正しい進め方

投稿者プロフィール

二見 文直
二見 文直株式会社ウインドクリエイティブ 代表取締役
YouTubeチャンネル「イーブイ片付けチャンネル」運営者。
1984年大阪府生まれ。一般社団法人遺品整理士認定協会認定遺品整理士。生前整理技能Pro1級。
2010年よりリサイクル販売業界に携わり、2014年に独立。単なる不用品回収ではなく、お客様が笑顔で穏やかな生活に戻れるよう、丁寧で気持ちの良いサービスを目指し、2015年に「イーブイ(屋号)」を立ち上げ、関西を中心に不用品回収、ゴミ屋敷の片づけ、遺品整理などのサービスを提供している。

メディア情報
ダイヤモンドオンラインにて捨てるコツを連載中