ひとり終活(ソロ終活について)

ひとり終活とは?終活でやっておきたい5つの備えをご紹介

生前から死後の準備をしておく「終活」今、老後や自分の死後の不安を取り除く方法として注目されています。
老後は病気の発作に伴う急死や認知症により判断能力が低下するリスクが高まります。
自分の死によって残された遺族や周囲の人々は、お墓や葬儀の準備、財産管理などさまざま事柄を済ませなくてはなりません。
予め、自分の意思や希望を伝えておけばそういった負担を軽減することができます。
しかし、終活の必要性はわかるものの実際終活を始めるには何を備えておくべきか、わからない人は多いです。

今回は、ひとり終活についてご紹介します。ひとり終活のメリット・デメリットや生前に済ませておきたい備えや手続きを解説します。生前のうちに不安を解消し、これからの人生を存分に楽しみましょう。

ひとり終活とは

終活は、自分の人生が迎えるエンディングと向き合い最期まで自分らしくあるために準備を備えておくことを指します。
今まで経験してきた人生を向き合い、これからの生き方を考えるきっかけになります。
ひとり終活と終活を行う人が増加している背景をみていきましょう。

・ひとり終活の概要
配偶者の死別や離別、または生涯独身を選択した結果として一人暮らしの「おひとり様」が増加しています。
家族や親類が遠方に暮らしていると、病気や骨折で介護が必要になったときに頼れる人がおらず、健康状態の悪化や孤独死につながります。
ひとり終活は、そんなおひとり様が介護を必要になったときや死後への不安を和らげる手段のひとつとなっています。

・ひとり終活の需要が高まる背景
若いころはなんでも自分の力でできても、年を経るとできないことが少しずつ増えていきます。
周囲に頼れる人がいない、そんなおひとり様は孤独死のリスクを抱えています。
孤独死は日本の社会問題のひとつです。
核家族化による高齢者の単独世帯の増加や、地域とのつながりの希薄さが孤独死増加の背景として挙げられます。
ひとり終活の需要が高まる背景には、自分の死後まで「周りに迷惑をかけたくない」そんな思いがあります。
そのため、生前のうちに終活を始める人が増えてきています。

ひとり終活はいつから始めるべきか


ひとり終活を始めるタイミングは人それぞれですが、思い立ったときに済ませてしまうのがおすすめです。
終活は、財産整理や遺言書の作成や葬儀場の契約など各所に手続きが必要です。
そのため、体も動く元気なうちに済ませた方が自分の負担も少なくなります。

「まだ早すぎる」といって後回しにしてしまうとどんどん終活への意欲も失われ、億劫になります。面倒くさがりやの性格の人なら尚更です。
早いうちに終活を済ませて自分の生活やこれからの人生に時間を使いましょう。

ひとり終活のメリット・デメリット


終活は、自分の死後に周囲の人の負担を軽減できるというメリットがあります。
しかし、良い面があれば、悪い面も存在します。
メリット・デメリットを確認して終活の必要性を見直してみましょう。

・ひとり終活のメリット
終活は自分の人生の棚卸しです。
今までの人生でどんな人と出会い、経験を重ね、どのように生きてきたのか、そんな人生と向き合うタイミングです。
そして、最期にどんなエンディングを望むか、先を見据えることで後悔のない人生を歩むことができます。
終活をきっかけに、今ある時間を大切にしようと物事を前向きに捉えられるようになります。

・ひとり終活のデメリット
人生の終わりについて考えることでポジティブになる人もいれば、ネガティブに考えてしまう人もいます。
終活は死に向かって準備をするため、一人で進めると気分が沈みがちです。
不安な人は周囲の人や専門業者に依頼するなどして一緒に進めると良いです。

いっぽうで、終活を始める高齢者を狙った悪徳業者や詐欺被害もあります。
葬儀やお墓の費用など相場がわかりづらい業界だからこそ、注意が必要です。
複数の業者から見積もりをとるなどして慎重に、予算や自分の希望に沿ったものを選択しましょう。

終活で済ませておきたい5つの備えと手続き


終活をしたいが、何から手を付ければいいかわからないという人は多くいます。備えに応じて手続きが必要なものは早いうちに済ませてしまいたいところです。ここからは、終活で済ませておくべき備えや手続きをご紹介します。

認知症や病気で動けなくなった時の備え

本人の判断能力があるうちに老化や認知症、脳梗塞など突発的な病気で判断能力が衰えた場合に備えて、将来的な財産管理や治療や介護サービスなどを本人に変わって手続きを進めることができる制度として「任意後見人制度」があります。
任意後見人制度は、支援者を自分自身で選ぶことができる点や依頼する契約内容を決められる点がメリットです。
任意後見人は特に資格も必要ないため、誰でもなることができます。
また、任意後見人契約は公正証書により締結されます。公正証書は、法律の専門家によって作成された文書のため執行力や安全性も保証されており、安心です。

周囲の人々に負担をかけない備え

終活での財産整理、身の回りの物品の整理は重要な意味があります。
部屋が物で溢れてしまうと足の踏み場がなくなり、ケガのもとになるばかりか閉塞的な空間を作り出してしまうため孤独死のリスクが高まります。
孤独死を回避する意味でも体の動くうちに身の回りを整理しておくべきでしょう。

また、財産の整理は亡くなったあと後の引継ぎ先や活用方法まで決めておくとスムーズです。
一般的におひとり様が遺言なしで亡くなった場合の財産は国庫に入ります。
生前お世話になった人に残したいものがある場合は、自分の意思をしっかり示しておきましょう。

葬儀、お墓など死後の備え

老後は、体の衰えもありいつ、なにが自分の身に降りかかるかわかりません。
おひとり様の場合、葬儀やお墓を生前契約しておくべきでしょう。
生前に葬儀の内容や自分の入れるお墓があるかを確認しておくことで万一の場合に、残された人たちに迷惑をかけずスムーズに手続きを進めることができます。

生前契約をしておけば希望の葬儀形式や規模、死亡を伝えてほしい人の有無など細かな部分まで対応してくれる業者もあります。人生の最期は他人の手ではなく、自らの手で選びたいという人に生前契約はおすすめです。

孤独死リスクを下げる備え

孤独死は、人とのつながりと希薄さが原因のひとつとなっています。
日ごろから地域の活動に参加し、周囲の人とコミュニティを形成しておくことで何かあったときに助けを求めることができます。
また、周囲の人々との交流は自分の楽しみや生きる活力になります。

ほかにも、訪問介護などのサービスの利用や知人に連絡先を伝えるなども交流を広げるきっかけになります。気持ちが沈んでいても話せばすっきりし、普段の生活を充実させることにつながります。万一のときに、互いに助け合える関係を構築しましょう。

あなたの思いを残された遺族に伝える備え

終活を始める際にはエンディングノートの作成がおすすめです。
口座情報や持病の有無といった自分の情報から、希望の葬儀形式まで書き方を決めずにどんどん書き出していくことで考えがまとまってきます。
法的拘束力はないですが、終活を何から始めたらいいかわからない、という人はぜひ試してみてください。

また、相続関係で重要になるのが遺言書です。
エンディングノートと異なり、公的拘束力があります。
遺族だけでなくお世話になった方に財産を相続したいという場合は明確に相続に関する要望を残し、残された周囲の人同士の相続トラブルなど不要な事態を未然に防ぐようにしましょう。

まとめ


ひとり終活は、自分の死後に周囲の人たちの負担を軽減するだけでなく自分自身で人生の最期を考えることができるため、残された人々も故人の意思を尊重して送り出すことができます。
終活は、人生を見つめ直すきっかけになります。
そのため、終活を通してこれからの時間を大切にしようとポジティブ志向で物事を考えられるようになります。
生前から、備えをしておくことで「悔いのない人生を歩むことができた」と実感できるように思い立った時点から必要な準備を進めておきましょう。