
はじめに|“片付け”は、暮らしと心を整える一歩
床がモノで覆われ、キッチンは機能せず、部屋の扉も開けられない。
そんなゴミ屋敷状態になってしまった空間を目の前にして、「どこから手をつけたらいいのか分からない」と立ち尽くしてしまう方は少なくありません。
この記事では、ゴミ屋敷清掃のプロとして現場に立ち会ってきた私たちイーブイが、実際の経験をもとに「片付けの先にある心の変化」についてご紹介します。
■ ゴミ屋敷に悩む人の多くは「誰にも相談できなかった」
実際にゴミ屋敷清掃をご依頼いただく方の多くが、こうおっしゃいます。
「誰にも言えず、一人でずっと悩んでいたんです」
「片付けなきゃとは思っていたけれど、どうにもできなかった」
数年、あるいは十数年かけて積み上がった“モノ”は、単なるゴミではなく、悩みや葛藤そのものでもあります。
だからこそ、私たちは最初にご連絡いただいた瞬間こそが、その方の「再出発の第一歩」だと考えています。
■ 片付けを決断した「きっかけ」は人それぞれ
実際に片付けを依頼されるきっかけは、本当にさまざまです。
- 管理会社の担当者に部屋を見られてしまった
- 水漏れなどのトラブルで急遽対応が必要になった
- 家族からの説得
- YouTube動画を見て「やってみよう」と決意した
10人いれば10通りの理由があります。
共通しているのは「ずっと誰にも相談できずに抱えていた」という点です。
■ 作業が進むにつれて、心も整理されていく
実際に片付け作業が始まると、依頼者の方の心にも変化が現れます。
最初は「家財の半分くらいは残したい」とおっしゃっていた方も、作業が進むにつれ「やっぱり8割は処分しようかな」と気持ちが変わることも珍しくありません。
片付けと一緒に、心の整理も進んでいく──
そのような変化を、私たちは何度も目の当たりにしてきました。
■ イーブイが現場で大切にしている姿勢
私たちイーブイは、片付けを「接客業」だと考えています。
現場で向き合うのは“モノ”ではなく、“人”だからです。
たとえば、私たちにとってはゴミに見える物でも、依頼者にとっては大切な思い出かもしれません。
だからこそ、無造作に扱ったり、「これはゴミですね」と一方的に判断したりすることは決してありません。
依頼者の想いに寄り添い、信頼していただける“片付けの相談相手”であること。
それが、私たちイーブイの大切にしている姿勢です。
■ 「片付けが苦手」は、決して恥ずかしいことではない
「片付けられない自分が情けない」
「私は人間としてどこか欠けているのではないか」
──そう悩まれる方も少なくありません。
けれど、私たちは声を大にして伝えたいのです。
片付けが苦手なのは、人それぞれの「苦手分野」のひとつにすぎません。
運転が苦手な人がいるように、片付けが得意でない人がいるのは当然のこと。
どうか、ご自身を責めないでください。
ご自身のタイミングで、無理のない方法で、少しずつでも構わないのです。
その一歩に、私たちはそっと寄り添います。
■ 片付けが終わったあとに見える“変化”
片付けが終わった部屋には、風が通り、床が見え、光が入ります。
そして何より、依頼者の方の表情が変わります。
- 「またここで暮らしていけそう」
- 「人を呼べる部屋になった」
- 「キッチンが使えるようになったから、自炊を再開しようかな」
そういった声をいただくたびに、私たちも胸が熱くなります。
片付けとは、単なる清掃ではなく、「人生を立て直す機会」にもなり得るのです。
■ おわりに|その一歩が、人生を変えるかもしれません
「片付けなきゃ」と思っているのに動けない。
「恥ずかしくて、誰にも見せられない」
そんなお気持ちを抱えている方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。
でも、どうか一人で抱え込まないでください。
私たちイーブイは、どんな状態でも、どんな想いでも受け止めます。
ゴミ屋敷の片付けは、モノを捨てることではなく、心を整えるきっかけ。
そして、もう一度「自分らしく生きられる空間」を取り戻すための、大切なプロセスです。
あなたの一歩を、イーブイが全力でサポートします。
投稿者プロフィール

- 株式会社ウインドクリエイティブ 代表取締役
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YouTubeチャンネル「イーブイ片付けチャンネル」運営者。
1984年大阪府生まれ。一般社団法人遺品整理士認定協会認定遺品整理士。生前整理技能Pro1級。
2010年よりリサイクル販売業界に携わり、2014年に独立。単なる不用品回収ではなく、お客様が笑顔で穏やかな生活に戻れるよう、丁寧で気持ちの良いサービスを目指し、2015年に「イーブイ(屋号)」を立ち上げ、関西を中心に不用品回収、ゴミ屋敷の片づけ、遺品整理などのサービスを提供している。
メディア情報
ダイヤモンドオンラインにて捨てるコツを連載中